東京から3時間!廃墟で有名 秩父鉱山訪問記

先週、前々から行きたかったものの、なかなか訪れることのできなかった秩父鉱山秩父鉱山簡易郵便局に思い切って訪れてみました。

秩父鉱山秩父市(旧大滝村)の中津川にある鉱山で、昔から日窒(現:ニッチツ)が持っているので、日窒鉱山とも呼ばれています。更に古くは甲斐武田が砂金を採っていたとか…
大滝村というと、観光地として賑わっている秩父長瀞等からは遠く離れた、奥秩父に位置しています。
今回は、その土地の不便さを身をもって体感するために、敢えて公共交通機関と徒歩で訪問することにしました。


池袋駅に7時に集合した我々一行は、秩父エリア乗り放題の「秩父フリーきっぷ」を購入して西武線に乗り込んだ。

途中飯能で乗り換えをして、2時間弱で西武秩父駅に到着した。

秩父鉱山方面行きのバスは、ここから秩父鉄道で20分の三峰口駅から出るが、時間を調べてみたところ、次のバスまで3時間ほどあったので、岩畳で有名な長瀞に寄ってみることに。

西武秩父駅裏手の秩父鉄道の駅の名前は「御花畑駅」と言う可愛らしい駅名。

電車で20分で長瀞に到着。

すぐ横を荒川が流れていて、そこの岩畳が有名です。天然記念物だったりします。

川を覗くとメダカと正体不明の稚魚が泳いでいた。
正体不明の稚魚が何の魚か気になったので、5匹ほど捕獲して現在飼育中です。

駅に戻ると、向こうから武甲山石灰岩を満載した貨物列車がやってきました。


秩父は今も石灰岩の採掘が盛んです。長瀞でも発破の音が聞こえました。

そろそろ時間なので三峰口駅に向かう。

三峰口駅についてからバスの時間まで40分程あるので、駅前の蕎麦屋で昼食とする。

三峰口駅 平日は閑散としている

風情ある木造建築の蕎麦屋 山菜そばは売り切れだったのでとろろそばを食べる

12時50分、乗車する中津川行きのバスが来た。
ここから約一時間の乗車だ。

一時間後、出合バス停で降車する。
ここからは約3km県道と林道を歩く


こんな僻地にあっても現役の鉱山だ。時折、石灰岩を積んだダンプとすれ違う。
道は石灰で真っ白だ。素掘りのトンネルもある。特に最後のトンネルは長いのに電灯がないので、iPhoneのライトを頼りに進む。


最後のトンネル 長い 両脇は溝があり危険 石灰が溜まっている

石灰で真っ白の道


トンネルを抜けた先には、石灰の山と、1匹の鹿が。
鹿はすぐ逃げたが、少し奥の方に鉱山が見えた。ドンドンガラガラという鉱山の音も聞こえた。

遂に念願の秩父鉱山に辿り着いた!

石灰の山

鉱山施設

最初に立ち寄ったのは、関東一到達困難との呼び声高い「秩父鉱山簡易郵便局」だ。

今回は平日の訪問で開局していたので自分宛にハガキを送る。※この時ハガキが62円になったのを実感した。

僻地にある上、平日の昼間しか開局していないため秩父鉱山郵便局の消印はレアなようで、郵趣人の憧れ?のようである。

郵便局員の方は人が来て喜んでいる感じだった。よっぽど使う人がいないのだろう
周辺人口0人でこんな僻地にあるにも関わらず、郵政民営化の波にも負けず今なおこの郵便局が残っているのは奇跡であろう。


鉱山周辺は廃墟が目立つ。かつて鉱山が人力に頼っていた時代、この地区には大勢の炭鉱労働者が住んでいた。今は自動化が進みほとんど人の姿がない。かつての社宅や倉庫が倒壊寸前の廃墟として残っているのだ。


所々に「これより先私有地 無断侵入は通報します ニッチツ」と書いてある看板がある。

奥に廃校があった。校庭は例の看板により立ち入り禁止だったが、校舎内は入ることができた。


小倉沢小学校というらしい

校舎内には黒板も残ってあり、訪問者達がコメントを残している。


屋根にスズメバチの巣があり、時折スズメバチが飛んでくる。
ハチの数が増えて来たのでハチを刺激しないように廃校を後にした。

次は山の斜面に建っている旧社宅の中に入った。※立ち入り禁止の看板がここには無かったので入ったが、もしかするとまだニッチツの私有地だったのかもしれない

二階建ての社宅の中には、四畳半の部屋が並んでいた。
部屋によっては床が抜けていたり、廃墟マニアが置いたと思われる小さい長靴があったりする。


夜には絶対行きたくない場所である。

外側から見ると、一階部分が潰れかけている。
倒壊も時間の問題か。

帰りのバスの時間が迫って来たので、来た道を戻る。

自販機があったので、缶コーヒーを買おうとすると、安い!
山の中なので、輸送費で高いのかと思ったが、鉱山関係者用に鉱山側が設置したものなので、儲けを得ようとしていないため安いようだ。

そうこうしていたら、本格的に時間がなくなって来た。

3kmを20分で戻らなければいけない。しかも悪路を。

久しぶりに全力で走った。

どうにかバス停にバスの時間2分前に着くことができた。

三峰口駅からすごい積乱雲が見えたので、ツイッターで調べたら池袋は雹が降ったとか

帰りは楽したいので、西武秩父駅からは特急レッドアローで池袋まで。

池袋駅は冠水して改札が壊れてたり、ホームが水浸しだったり、大変な有様。


東京から約3時間の秘境 秩父鉱山
普通の観光地には無い魅力と発見がここにはあります。
皆さんも難易度は高めですが、秩父に来た際は、ついでに行ってみたらどうでしょうか


秩父鉱山へのアクセス

・車の場合

関越自動車道 花園ICから国道140号で奥秩父もみじ湖へ、そこから県道210号線で鉱山
花園ICから約2時間(秩父市中心街から約1時間)

・電車、バスの場合

池袋駅から西武線特急レッドアローで西武秩父駅まで約1時間半
秩父鉄道に乗り換えて三峰口駅まで20分
そこから西武バス M6またはM7系統で約1時間 出合下車
出合より徒歩45分です。
土日は西武秩父駅からの急行バスがあります


鉱山敷地内には立ち入らないようにしましょう
平日は鉱山が操業しているので、ダンプ等に気をつけましょう。


おまけ:鉱山周辺略図です。すごく省略しています


2018年6月18日追記

現在、当分の間、出合バス停から先の道が、トンネルのモルタルがはがれ落ちたため、関係者以外車両進入禁止となっています。
訪問される方は、マイカーでの現地入りは厳しく、周辺に駐車場も無いので、バスと徒歩での訪問をお勧めします。